やまざきの「三色団子」は今日も安定のパフォーマンス

ゆずれないおやつの話_vol3〉

〈ゆずれないおやつの話〉では筆者の人生において欠かせないと思うおやつについて勝手な尺度で語ります。今回はスーパーでお馴染みの顔《ヤマザキ》の「三色団子」について。


昔から三色団子といえば思い浮かべるのは「ヤマザキ」の三色団子だった。「ヤマザキ」の三色団子は愛知県内の多くのスーパーマーケットやコンビニの和菓子コーナーのレギュラーメンバーで我が家を含め多くの家庭の間食を支え続けている。この団子の好きなところが3つある。

ひとつ目は冷やしても美味しいところ。「ヤマザキ」の三色団子は団子でありながら食感は「ういろう」に近い。冷やすとういろう特有のムチっとした弾力が増すのでわたしはむしろ積極的に冷やして食べることが多い。逆に常温で食べるとお餅らしい柔らかさが際立つ。知人は「絶対に10秒くらいレンジでチンしてから塩を振って食べる」と言っていた。

ふたつ目は3色全部が同じ味であるところ。これは何も団子に限った話ではないのだけれどわたしは食べる順番を決められないという理由で昔から串物があまり得意じゃない。三色団子の場合、専門店であれば桃色は桜→白は素甘→緑が蓬という味の順で刺さっている。だけど気分によって「今日は蓬から食べたかったのに」と思ったり「最後は素甘で締めたいのに」ともやもたを募らせること度々。とくに子供の頃は蓬味が苦手だったので最後に残るのが悔しかった。しかしこの順番は花が桃色に色づき、満開の時期に白くなり、最後は散り葉桜になる様を表しているらしく、和の心を重んじる和菓子にとって無視できない形式美なので仕方がない。

しかし《ヤマザキ》の三色団子はそもそも味が全部素甘なのでそのモヤモヤの一切から解放される。そもそも子供舌なので風味の変化などは求めていないのだ。

みっつ目は安いところ。お金で買えない価値はあるけど買えるものは安い方が嬉しい。大学三年生の春、最高潮にお金がなく、家でごま塩のおにぎりをむすび、スーパーマーケットで《ヤマザキ》の三色団子と暖かい緑茶だけを買って旦那さんと公園で花見をしたことを覚えている。ごま塩おにぎりは塩気が足りない上に強くむすびすぎたせいで硬くお世辞にも美味しいとは言えない仕上がりだったのだけれど《ヤマザキ》の三色団子と緑茶のおかげでなんとか花見の体を保つことができたことを今でも覚えている。長年連れ添ったおやつには理屈を超えた愛着があるので、他のどんなに高級な専門店の団子とも比べることはできない。結局はそういう話。


公式HPへ