はっきりとした目的もないのに「なぜか来てしまう町」についてその雑感を主観と偏見を交えながら自由に綴ります。第2回目は国際センター駅。
▶︎国際センター駅/ 〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目2
バイバイまた来るね #2 / 国際センター
国際センター駅のあたりは、その名前から想像する景色よりずっと垢抜けない生活感のある町だ。賑やかと言うほどではないけれど、打ち解けた活気があり、それでいて人と人との距離感が近すぎないところが良い。
昔から人にあれこれかまわれるのが好きじゃなかった。かまわれることが苦手なだけで一人が好きというのとはまた違うのだけれど、ともかくあれこれ構われるのは好きじゃなかった。わたしの育った田舎では知り合いであろうとなかろうとお構いなしに大人が子供に話しかけるということが日常的にあって、わたしはそのやりとりもあまり好きになれなかった。今朝は何食べたの?どこへ行くの?部活動は何をしているの?もちろんどの質問にもきちんと答えていたし、あなたそのスカート短すぎない?と指摘を受ければぺこぺこしながら裾を引っ張ったりしてやり過ごした。
誰もが大人として優しさで気にかけてくれているのだと分かっていたけれど、わたしはなぜだかその他愛のないやりとりがものすごく苦手だった。変にプライドの高い嫌な子供だったのかもしれない。
そんなわけでわたしは、その町における人と人との距離感みたいなものに神経質な節があるのだけれど、このあたりはパジャマみたいな部屋着の人もスーツの人もおしゃれな女の子もオフィスレディも混在していて町全体に適度な距離感と心地よい無関心さがあってとても好きだ。
餃子屋のテラス席でハイボールを飲みながら商店街を眺めていると、下着のように生地が薄く丈の短い短パンを履いた中年男性が通り過ぎて行った。その日は近くでイベントがあったのか、大きなリボンのついたドレス調のメイド服のような格好の人も何人か見かけた。それぞれが無関心な距離感を保ちながらも、どこか温かい生活臭のするエアポケットのようなこの町がやっぱり好きだと思った。
▶︎東の円頓寺商店街
▶︎呉服・服地屋「尾島屋」
▶︎『MISSING PIECE』作者:鷲尾友公(あいちトリエンナーレ2019)
▶︎肉屋の「丸小」
▶︎ 蕎麦屋「えんそば」
▶︎オーダー靴と修理の専門店「アンティコ チャ バッティーノ」
▶︎那古野ハウス/ボルダリングハウス「KNOT」2018年にボルダリングジム・ゲストハウス・コミニュティラウンジの複合施設として改築された
▶︎パン屋『芒種』/黒ごまあんぱん(¥180)/ ココア(¥250)
▶︎西側の円頓寺商店街
▶︎スーパー「丸一ストアー」
▶︎円頓寺ぎょうざ《関山》
▶︎四間道/名古屋城が建築され始めた頃、清洲越しによってやって来た商人達が住み着いたことによって生まれた城下町。火災による建物の大量焼失をきっかけに、火災の被害を最小限に抑えるため道幅を四間(約7m)に拡張したことが由来になっている。今は店舗として再利用されている。
▶︎花車ビル 北館 / 中館
〈国際センター駅〉家賃平均:単身者*6.2万円 / ファミリーの家賃平均*12.3万円 / 桜通線沿線の駅。有名なスポットに円頓寺商店街商店街や四間道がある。