#2 ストリートフード・クラブ / BAOHOUSE

映画や小説に見る街中での食事シーンが子供の頃から大好きだった。時にガードレールにもたれ、駅前の噴水に腰掛け、あるいは公園のベンチでくつろぎながら食べるのにふさわしい名古屋のストリート・フードを探して筆者が気に入ったものを紹介します。第ニ回目は名古屋市中区大須『BAOHOUSE』の豚角煮。

BAOHOUSE

すき焼きにおける白米のように

中学生の頃、冬の部活帰りにはよくコンビニで肉まんを買い停めた自転車の上に座って食べていた。肉まんはわたしのストリートフードの原点とも言える。

肉まんが好きというより、単にあの白い蒸皮が好きなのだ。ふわふわの生地が放つ蒸気が口の中に充満する瞬間に、わたしは人生の素晴らしさをいつも再確認する。血も凍りそうに寒い夜に、あの世にも幸せな白い物体が湯気を放っているところを想像するだけで心が温まる。

今まで知りもしなかったバオを、一目見て食べようと思ったのは、それが肉まんによく似た白い蒸皮に包まれた食べ物だったからだ。だけどおおかた食べ応えは肉まんと似たようなものなのだろうと侮ってもいた。しかしそんな予想は大きく覆された。

肉まんの中身は餡に過ぎないが、バオの具は「おかず」と言う方が正しい。様々な種類があるけれど大堂はやはり豚の角煮。柔らかく煮込まれた角煮と濃厚なソースが絡んだ白い蒸皮は、すき焼き後半に不可欠な白米を彷彿とする美味しさだった。具が大きく見た目が派手だから大味に見えがちであるけれど、この具がおかずの役割を果たしているおかげで蒸皮の美味しさを最大限に引き出している。皮も肉まんのそれより心もち弾力があり厚く食べ応えがある。蒸皮にはどんなものも優しく包み込む果てしない包容力と可能性がある。バオはそのことをあらためて教えてくれた。

▶︎ 今回のフード:豚角煮(¥330)

 

 

BAOHOUSE

〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須3丁目42−4/台湾生まれのNEWテイスト中華版ハンバーガー。

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