〈アトリエうかい〉アートピースと言わせて

〈ゆずれないおやつの話_vol12〉

〈ゆずれないおやつの話〉では筆者の人生において欠かせないと思うおやつについて勝手な尺度で語ります。今回は「アトリエうかい」のフールセックの小缶です。


 

アトリエうかい
フルーセック小缶

 

大学生の頃、何となしに見ていた手土産特集でわたしはこのクッキー缶の存在を知った。長方形の缶の中に宝石のように行儀よく並んだクッキーがそれはもう愛らしく写真からいつまでも目が離せず、それ以来ずっとひそかに切望し続けていた。

名古屋に店舗は無く、京都、大阪、東京、神奈川それぞれにぜんぶで5店舗あるのみ。どこもクッキーを買うためだけに足を運ぶにしては遠すぎた。けれど入手しづらいということが分かるといっそう尊いものかもようにも思えたし、なぜだかネットで簡単に手に入れてしまってはいけないようにも思えた。

その時は数年後にやってきた。夫が千葉への出張の帰り道に立ち寄ることになった品川駅の構内のエキュート品川の一階にアトリエうかいの店舗があったのだ。そしてわたしはようやくアトリエうかいのクッキー缶を手に入れた。

クラシカルでほんとうに可愛い。繊細な一枚一枚は食べることはもちろんのこと触ることさえ気が引けるほど尊く、まるでアートピース。ひとつの缶の中に違った味のアクセントを詰めることでトータルのバランスが整っているところはさすが老舗。あんなに長いこと待ち続けていたのに、三日も経たずに缶の中は空っぽになった。

▶︎フールセック・小缶 / ¥2,500(税込)


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